第74回
「快気祝い」について
≪放送内容概要≫
●快気祝いとは?
→快気祝いは、病気やケガで入院をした際、
いただいたお見舞いに対してのお返しのことです。
もう少し正確に言えば、病気やケガが治ってから、
お見舞いに来ていただいた方に「おかげさまで治りましたよ!」と
報告をかねてお返しをすることを「快気祝い」と言います。
全快していないけど、自宅療養などという場合には、
ひとまず退院した報告という意味で「退院内祝い」とか
「お見舞い御礼」という形で お返ししたほうが
良い場合もあるかと思います。
●「快気内祝い」とは言わない?
→いただいたお祝いに関してお返しをする際、
「内祝い」とつければお返しになるというイメージがあるかと思います。
例えば、「出産祝いのお返し=出産内祝い」、
「結婚祝いのお返し=結婚内祝い」などですね。
ただ、快気祝いに関しては「快気内祝い」というのはあまり聞きません。
そもそも「快気祝い」というだけだと、
もしかすると「病気が治った方に対するお祝い」と捉える方も
いらっしゃるかもしれません。
でも、退院に関しては、全快したのか、自宅療養なのか、
当事者でなくては何とも言えないことなので、
他の方から退院のお祝いとして、きちんとのし紙をつけてまで
何かを差し上げるということは、
ヘタをすると失礼になってしまうこともありえます。
退院のお祝いに…という場合で、のし紙をつけたい時は、
単純に「お祝い」としておいたほうが間違いないかもしれません。
さて、「快気祝い」と「快気内祝い」の違いなのですが、
これについては、正直いろいろと解釈がわかれるようです。
例えば『病気の回復の状態』でわけるという考え方がひとつです。
「快気祝い=全快したとき」
「快気内祝い=通院などがまだ必要で、全快とはいえない場合」
などとするケースもあるようです。
ただ、どれが正しいというわけではないので、
一般的には「お見舞いのお返し=快気祝い」と覚えておいて
良いと思います。
●お返しの予算・タイミングは?
→基本的なお返しの金額は、いただいた金額・品物の
3分の1~半額程度が相場です。
ただし、身近な方から高額のお見舞いをいただいたり、
品物の値段がわからない場合などは無理に相場にこだわらず、
感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
お返しのタイミングとしては、退院してから10日以内にお返しを。
あまり遅くなってしまうと、退院したことを知らずに、
病院へお見舞いに行ってしまった、などということもありえます。
ですので、あまり遅くならないうちにご報告を。
お返し品としては、タオル、洗剤、お菓子などの食品、
後に残らないものが人気です。
病気が後に残らないように…という意味を込めて、
消耗品や食べてなくなるものなどが選ばれています。
洗剤やタオルなども「病を水に流す」という意味もあるようです。
●患者さんが病院で亡くなってしまったら?
→お見舞いを頂いていたものの、
残念ながら患者さん本人が亡くなってしまった場合、
忌明け後に「お見舞い御礼」や「御礼」として、
黒のしを付けて贈ればよいと思います。
黒のしに「御礼」が違和感ある場合は、
上書き無しで黒のしをつけてもよいでしょう。
また無理にのし紙をかけずに「あのときはお世話になりました」
と伝えてお渡しするのもいいかもしれません。
葬儀でその方から香典も頂いている場合には、
香典返しとはまた別に用意しましょう。
●病院の先生や看護師さんへのお礼は?
→本来ならば医師や看護師さんへの謝礼は不要です。
でも、入院中にお世話になった先生や看護師さんに
お礼をしたいということもあると思います。
ただし、最近では患者さんからのお礼の受け取りを禁止している
病院が多いので、それとなく確認し、病院の決まりに従いましょう。
特に禁止されていないのであれば、
「みなさんでどうぞ」と小分けできるお菓子や、
コーヒー・お茶などを贈るのが良いと思います。
昔は、医師に現金や商品券を…なんてこともあったようですが、
そこは最近では受け取ってもらえないのでは…と思います。
どうしてもお礼をしたいという場合は、
やはりお菓子などにお礼状などを添える程度に
とどめるのが良いと思いますね。
お菓子などにのし紙をつける際は「御礼」として贈りましょう。